乳酸菌は本当にアトピーにいいの?【3章-2】

乳酸菌が入ったサプリメント 【第3章】アトピーを4大栄養成分で改善

アトピー対策に、乳酸菌が含まれたサプリメントの摂取があります。なぜ乳酸菌がアトピー対策になるのでしょうか?

乳酸菌とアトピーの関係

  • 乳酸菌は、腸内の環境を整えてアトピーを改善することが可能
  • 乳酸菌は、遺伝によるアトピーにも効果がある
  • アレルギー物質不使用のサプリメントがある

アトピーの原因の1つに、免疫の低下があります。人間の免疫細胞は、半数以上が腸に存在しています。そのため、腸内の免疫細胞のバランスを整えることができれば、免疫の低下を防ぐことにつながります。乳酸菌は摂取すると、腸内で体に悪い影響をもたらす悪玉菌の増殖を抑えて、腸内の免疫細胞のバランスを整えます。このことが乳酸菌がアトピーの改善になる主な理由です。

また、両親がアレルギー体質の場合、子供に遺伝して子供がアトピーになることが多くなります。しかしその生まれた子供に乳酸菌を一定期間与えると、アトピーになりにくくなることがわかっています。このことからも、乳酸菌はアトピーにいいことがわかります。

食べ物のアレルギーがあり、牛乳やヨーグルトから乳酸菌を摂取することができないアトピーの方がいるかもしれません。しかし乳酸菌サプリメントの中にはアレルギー物質不使用のものもあります。なので、アレルギーがあってもサプリメントからなら、簡単に乳酸菌を摂取することができます。

とはいえ、乳酸菌であれば何でもアトピーに良いというわけでもありません。乳酸菌にはたくさんの種類がありますが、アトピーに効果があると明らかになっている乳酸菌には、代表的な例として、次のような乳酸菌が知られています。

アトピーに効果がある乳酸菌の代表例

  • アトピー対策の乳酸菌① K-2株
  • アトピー対策の乳酸菌② L-92
  • アトピー対策の乳酸菌③ HSK201株

アトピー対策の乳酸菌 K-2株

「K-2株」は酒かすから発見された、アトピーや花粉症などのアレルギー症状の緩和効果が高い、植物性(稲由来・米由来)の乳酸菌です。

この乳酸菌は、抗アレルギー作用が強く、アトピーの改善効果が高いのが特徴です。アトピーへの効果は臨床試験で確認されていて、マウスを使用した試験では、アトピーと同じように皮膚に炎症を起こしたマウスにこのK-2株を投与した結果、炎症の症状がほとんど出なくなりました。また、人の臨床試験でも、アトピーの症状が軽度から中度の人にK-2株を摂取してもらった結果、アトピーの症状の緩和が確認されました。また、花粉症にも効果があるのが確認されていますこのように、この乳酸菌はアトピーや花粉症に効果があるため、アトピーや花粉症の方におすすめです。

アトピー対策の乳酸菌 L-92

「L-92乳酸菌」は、アトピーや花粉症などの、アレルギー症状を引き起こす抗体を抑制する作用を持ちます。アトピーの場合、本来抗体を作る必要がない成分に対して抗体が作られる場合があります。L-92乳酸菌は、この余分に作られる抗体の発生を抑え、腸内の免疫細胞のバランスを整えます。これは動物細胞を使用した実験で認められています。そのためL-92乳酸菌を摂取することで、腸内の免疫力の改善が期待できます。そして丈夫な皮膚を作ることにもつながるので、アトピーに効果があります。

また花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状の改善に効果があることが、人の試験で確認されており、アレルギー症状に効果があることが分かります。

アトピー対策の乳酸菌 HSK201株

ドイツの伝統食であるザワークラウトから見つかった乳酸菌が「HSK201株」です。この乳酸菌は、胃液に対して強い耐性があります。このことは人口の胃液に2時間、このHSK201株を入れた実験で、2時間しても約80%生存していたことから確認できます。多くの乳酸菌は腸に届くまでに死んでしまうのに対して、この乳酸菌は生きて腸まで届きやすいです。乳酸菌は生きた状態でも死んだ状態でも、腸まで届けば効果があります。しかし、生きた状態の方が効果があるため、この乳酸気のように生きた状態で腸まで届いた方がいいのです。

HSK201株はマウスを用いた実験では、アトピーの症状の抑制が確認されています。しかし現在ではマウスをもちいた実験結果のみのため、この乳酸菌が人のアトピーに対しても効果があるのではないかと期待されています。

参考文献:後藤利夫(2011)『-ヨーグルトで健康革命- あなたの知らない乳酸菌力』小学館

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