第二章
膝関節痛の予防・改善をするには?
2-3. 膝関節痛の予防・改善方法③医療・手術による治療とは?
医療・手術による治療が必要な状況と手術の種類

「関節鏡視下手術」の特徴
関節鏡視下手術は、小さなカメラを使って膝の内部を観察し、傷んだ半月板や軟骨を修復または除去する治療法です。この方法は小さな切開で済むため、術後の回復が早く、患者の負担が軽減されます。特にスポーツ選手や若年者に多い半月板損傷の改善が期待できます。痛みが続き日常生活に支障が出る場合に、効果的な選択肢となります。
「人工関節置換術」の特徴
人工関節置換術は、膝関節全体を人工関節に置き換える手術で、重度の変形性膝関節症に適しています。痛みが大幅に軽減され、日常生活の質が向上するため、多くの患者が手術後に普通の生活に戻ることができます。術後のリハビリは重要で、早期からの運動が人工関節の寿命を延ばし、生活の質を高めます。
「骨切り術」で膝への負担を軽減
骨切り術は、膝関節にかかる負担を軽くするために、骨の形状を調整する手術です。特に高位脛骨骨切り術は、膝の軸を再調整し、荷重のバランスを改善することを目指します。この手術は、比較的若い年齢層の変形性膝関節症患者に行われ、関節を温存することが重要です。手術後は、膝への負担が軽減されるため、症状の進行を遅らせることが期待できます。リハビリも重要で、筋力や柔軟性を回復することで再発を防ぎます。膝の状態がまだ良好な患者にとって、有効な治療法です。
そのほかの膝関節痛治療・手術
「半月板切除術」で膝の痛みを軽減
半月板切除術は、膝の中にある傷んだ半月板を取り除く手術です。この手術は、半月板が痛んでいるために膝が痛い、または動かしにくい場合に行います。関節鏡という小さなカメラを使うので、切るところが小さく、術後の回復も早いのが特徴です。この手術を受けることで、日常生活やスポーツに戻るのが楽になります。
「半月板縫合術」で自然な機能を回復
半月板縫合術は、傷が小さい半月板を縫い合わせて治す手術です。特に若い人やスポーツをする人に多く行われ、半月板の自然な働きをできるだけ残すことを目指します。この手術は、膝の健康を守るために大切で、運動する力を取り戻すことが期待できます。早めに治療を受けることで、膝の長い健康を保つことができます。
「OCD(離断性骨軟骨炎)」への手術で関節の健康を守る
OCD(離断性骨軟骨炎)への手術は、膝の軟骨や骨が一部剥がれている場合に行います。この手術では、剥がれた部分を取り除き、必要なら再び固定します。主に若い人に多く行われ、早めに治療することで膝の健康を守ることができます。OCDに適切に対応することで、将来の膝の動きや機能を維持することが大切です。
参考:最新医学図解 詳しくわかるひざ・股関節の痛みの治療と安心生活
「最新医学図解」シリーズ (Japanese Edition)、宗田大