セルフケアの重要性
夜の尿量が多いシニアは、下半身のむくみが原因の方が多いです。その為、むくみの為のセルフケアを行う事で、頻尿・夜間頻尿・尿漏れ改善に役立つため、2020年に発表された最新の「夜間頻尿診療ガイドライン」でも、選択肢として推奨されています。病院でも、まずセルフケアをしっかり行うことを勧められるのもその為という事ですね。
加齢で筋肉が衰えると、血液を押し上げることができずに水分が溜まる為、セルフケアはそういったむくみの改善や予防に役立ちます。
また、持病によっても尿の量は増える事があるので、高血圧などの病気がある場合は、まずはかかりつけ医に頻尿や尿漏れがある事を相談してください。
薬による頻尿治療
薬による頻尿治療として、漢方があります。漢方の治療では、腎虚、水毒・水滞、於血(おけつ)など排尿のトラブルの背景にある原因を探り、正常にして、頻尿・尿漏れを改善していくことを目的にします。また、最近では細菌感染がないにもかかわらず、頻尿に下腹部の不快感、蓄尿時の痛み、残尿感が合併する膀胱痛症候群という病気の存在が明らかになっていますが、漢方薬で下腹部の不快感や痛みなどを改善させることができます。
漢方の概念には、「気・血・水」というものがあります。気は生命エネルギー、血は血液とそのはたらき、水は血液以外の水分と考えられています。頻尿や尿漏れなどの排尿に関するトラブルは、この3要素のうちの水に異常をきたす事によって生じる症状です。
その為、こうした排尿のトラブルの背景にある原因を探り、正常にして、頻尿・尿漏れを改善していくことを目的にします。
日常生活から頻尿・夜間頻尿・尿漏れを対策
出所:「年を取ると、なんでトイレに起きやすくなるの?」.『第一線で活躍する専門家が教える夜間頻尿朝までぐっすり!自宅ケアBOOK』.主婦と生活社ライフ・ケア編集部. 2021,105p
まずは、自分でむくみがあるのか検査を行っていきましょう。
左右どちらかのすねの骨の上の固い部分を、指で押してみてください。その後、指を離した時にあとが残っていたらむくんでいる証拠です。少しでもむくんでいると、指のあとが残ります。指のあとが1mmへこむだけでも片足で200〜300mlの水が溜まっていると言われています。
むくんでいる方は、ぜひセルフケアを日常生活から取り入れて、頻尿・夜間頻尿・尿漏れ対策を行いましょう!
気軽に出来る!足上げ体操
日中に溜まった水分を、寝る前に尿として出すためのセルフケア。
①夕方に行うと効果的です。足を無理のない高さまで足を上げる。
壁などに沿って行うと足を上げやすいです。
②その姿勢を30分キープ。ゆっくり足をおろして終了。
ウォーキング
下半身に溜まった水分を血管に戻し、血行が促進するセルフケア。
①夕方の時間帯に30分ほどウォーキングをする。
②普段よりも歩幅を広くして、大股で歩くのを心がけると
より効果的です。