第一章
膝関節痛とは(膝関節痛の種類・シチュエーション・原因)
1-3. 膝関節痛が起こりやすいのはどんな人?起こりやすいシチュエーションとは?

膝関節痛が起こりやすい人の特徴
膝関節痛が起こりやすい人の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?
主に以下の4つのような特徴があります。
高齢者 ~加齢による変化とその影響~
年を取ると、膝の関節にある軟骨が少しずつ減っていきます。これによって、関節がスムーズに動かなくなり、痛みや腫れが出ることがあります。また、高齢の方は筋力が弱くなりやすいので、膝を支える力が足りなくなり、膝にかかる負担が大きくなります。さらに、骨がもろくなってしまうと、骨折しやすくなるので、気をつける必要があります。
肥満の人 ~体重が膝関節に与える負担~
肥満は、膝に大きな負担をかける原因となります。体重が増えると、歩いたり階段を上ったりする時に、膝にかかる圧力が増します。この負担が長く続くと、関節が痛くなったり、変形したりするリスクが高まります。また、脂肪からは炎症を引き起こす物質が出ることもあり、これがさらなる痛みの原因になることがあります。
運動不足の人 ~筋力低下による関節への負担増加~
運動をあまりしないと、膝を支える筋肉が弱くなります。特に太ももの筋肉が衰えると、膝にかかる負担が増え、痛みが出ることがあります。また、運動不足だと関節が硬くなり、動きがぎこちなくなるため、膝に衝撃がかかりやすくなり、さらなる痛みを引き起こすこともあります。
特定のスポーツをする人 ~膝に負担のかかるスポーツ~
いくつかのスポーツは膝に大きな負担をかけることがあります。たとえば、サッカーやバスケットボールでは、急に方向を変えたりジャンプをしたりすることが多く、膝にストレスがかかります。また、これらのスポーツでは、他の選手とぶつかることも多いので、膝が傷つくリスクが高くなります。運動をした後は、しっかりとストレッチや筋力トレーニングをすることが大切です。
膝関節痛が起こりやすいシチュエーション
日常生活の中での負担
日常生活の中で膝関節にかかる負担は意外と大きいものです。特に、階段の上り下りは膝に高い負担をかけます。下りる際には体重が膝に集中し、痛みを感じやすくなります。
また、長時間の立ち仕事も影響があります。立ちっぱなしの状態が続くと筋肉や靭帯が疲れて、膝の支持力が低下し、痛みが生じることがあります。これらの行動は無意識のうちに膝に過度な負担をかけ、慢性的な痛みの原因になることがあります。
スポーツや運動時のリスク
スポーツや運動を行う際には、十分な準備が重要です。準備運動やウォームアップが不足していると、膝関節へのリスクが高まります。
ストレッチを行わないと、筋肉や靭帯が十分に温まらず、急な動きに対する柔軟性が低下します。これにより、運動中に膝に過剰な負担がかかり、捻挫や靭帯損傷などの怪我が起こることがあります。特に、急な方向転換やジャンプが多いスポーツでは、膝へのストレスが大きくなります。
外的要因
膝関節痛は外的要因にも影響を受けます。特に、天候の変化がその一因です。寒さや湿気は関節に影響を与え、痛みを引き起こすことがあります。
気温が下がると、関節周囲の筋肉や靭帯が硬くなりやすく、動きが制限され、痛みが増えることがあります。また、湿度が高い日には関節内の圧力が変化し、炎症を引き起こすこともあります。これらの外的要因は、特に膝に問題を抱える人々にとって注意が必要です。