第三章
医薬品とサプリメントの違い
【医薬品の基礎知識】

3-1. 医薬品とは?医薬品の種類と入手方法を解説

医薬品を手に持つ医師の画像
医薬品を手に持つ医師

医薬品とは何か?

医薬品は、私たちの健康を守るために欠かせない存在で、病気を予防したり治療したりするのに役立ちます。

身近なものでは、鎮痛剤や抗生物質、ワクチンなどがあります。医薬品の歴史は長く、昔は薬草や鉱物が使われていましたが、近代になると科学が進歩し、感染症の治療が大きく向上しました。

現在では、がんや慢性の病気に対する新しい薬も続々と登場しています。医薬品が健康を支えることを知ることは重要で、私たちの充実した生活を支える基本となります。

医薬品の種類

医薬品の種類には大きく、以下の5種類あります。

①第一類医薬品

②第二類医薬品

③第三類医薬品

④要指導医薬品

⑤一般用医薬品(OTC医薬品)

それぞれについて解説していきます。

①第一類医薬品

第一類医薬品は、副作用のリスクが高く、使用には十分な注意が必要な医薬品です。
このタイプの医薬品は、病気の治療に重要な役割を果たす反面、間違った使い方をすると健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、購入時には薬剤師からの説明を受ける必要があります。

第一類医薬品の例としては、抗がん剤や強い鎮痛薬が挙げられます。
これらは購入者自身が判断するだけでなく、医療専門家の指導のもとで安全に使用することが求められます。

普段から健康に注意し、薬剤師や医師に疑問点を尋ねながら、正しく利用することが大切です。

<第一類医薬品の例>

  • 鎮痛薬
    強力な鎮痛効果があるため、慎重な使用が必要です。例として「ロキソニンS」や「アレグラFX」などがあります。
  • 抗がん剤
    がんの治療に使われる薬で、副作用の管理が重要です。

参考)Microsoft PowerPoint - 【資料7】OTCの分類_130508_旧 (mhlw.go.jp)

②第二類医薬品

第二類医薬品は、日常生活に支障をきたす副作用のリスクがあるため、使用には注意が必要です。
第一類医薬品ほどではないものの、症状や体調に合った使い方をしないと健康に影響を与えることがあります。

購入時に薬剤師の説明を受けることが推奨されており、特に依存性のある成分を含むものや、使用回数が多いと依存のリスクがある薬剤が含まれます。

例として、胃腸薬や風邪薬などがあり、これらは比較的身近な症状のために使われますが、体調に合った適切な使用が大切です。

<第二類医薬品の例>

  • 胃腸薬
    胃腸の不調を和らげる薬で、例として「ガスター10」などが挙げられます。
  • 鎮痛薬
    軽度の痛みを和らげるために使われますが、過剰使用には注意が必要です。例:「アスピリン」など。

参考)Microsoft PowerPoint - 【資料7】OTCの分類_130508_旧 (mhlw.go.jp)

③第三類医薬品

第三類医薬品は、日常生活に支障をきたすほどではないものの、身体に何らかの変調や不調が起こる可能性がある成分を含む医薬品です。
具体的には、身体の調子を整えるための健康補助食品や、軽い症状を和らげるための消化剤などが含まれます。

<第三類医薬品の例>

  • 胃腸薬
    消化不良や胃痛を和らげる薬。胃酸を抑え、胃腸の調子を整えるために使われます。
  • 鎮痛薬
    軽度から中程度の痛みを軽減するための薬。頭痛や筋肉痛に効果がありますが、使用には注意が必要です。
  • 消化酵素
    食物の消化を助ける薬。消化不良やお腹の張りを軽減します。

参考)Microsoft PowerPoint - リスク区分表(当日配布).pptx (mhlw.go.jp)

④要指導医薬品

要指導医薬品は、使うときに特別な注意が必要な薬です。患者が自己判断で使うのは避けるべきで、専門家からの指導が大切です。

これらの薬は特定の症状に効果がありますが、使い方を間違えると健康に悪影響を与えることがあります。副作用や依存症のリスクもあるため、薬局で購入するときは必ず説明を受けましょう。これにより、安全に薬を使えるようになります。

<要指導医薬品の具体例>

  • 強力な鎮痛薬
    痛みを緩和するために使用されるが、副作用のリスクが高いため、使用方法には十分な注意が必要。
  • 抗不安薬
    不安や緊張を和らげるために処方される薬。長期間の使用は依存症の原因となる可能性がある。

⑤一般用医薬品(OTC医薬品)

一般用医薬品(OTC医薬品)は、処方箋なしで薬局やドラッグストアで簡単に買えるお薬です。購入時には、薬剤師や登録販売者に相談しながら選ぶことで、安全に使うことができます。もし飲んでも体調が良くならない場合や、逆に悪くなる場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

中には依存性のある成分が含まれている薬もあり、長期間の使用は注意が必要です。このような薬は、購入時に1人1箱までの制限があります。安全に使うために、用法・用量を守り、心配なことがあれば必ず相談することが大切です。

参考サイト:000666014.pdf (mhlw.go.jp)

医薬品の分類。5種類に分けられる。
医薬品の分類

医薬品の入手方法

医薬品は、その種類に応じて入手方法が異なります。処方薬は医師の診察を受け、処方箋が必要です。

一方、市販薬(OTC医薬品)は、ドラッグストアやインターネットで購入できますが、要指導医薬品や第一類医薬品などは、薬剤師の説明が必要です。

第三類医薬品などリスクが低いものは、薬剤師がいない時間帯でも購入できます。それでも、医薬品の購入時は、専門家のアドバイスを受けることを心がけ、安全に使えるようにしましょう。

医薬品を安全に使用するためのポイント

医薬品を安全に使用するためには、まず添付文書をよく読み、使用方法や用量を正確に守ることが重要です。
また、自己判断で他の薬と併用したり、長期間使用したりするのは避け、疑問があれば薬剤師に相談しましょう。

特に、処方薬や要指導医薬品では、副作用のリスクを考慮して、医師や薬剤師の指導に従うことが大切です。

定期的に使用する薬については、副作用のチェックや定期的な健康診断を受け、体調の変化に注意を払いながら使用を続けることが推奨されます。