第四章
食品・サプリのおすすめ栄養成分
血糖値に関する成分「サラシア由来サラシノール」「カテキン」「亜鉛」「マグネシウム」「サイリウム種皮由来の食物繊維」「葛の花由来イソフラボン」

血糖値の改善に効果的な成分とは?
血糖値の改善に役立つ成分にはどんなものがあるでしょうか?
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の量のことです。
ブドウ糖はエネルギーとして使用されますが、余分に摂取し余ったブドウ糖は中性脂肪として蓄えられていきます。
血糖値はすい臓から分泌されるインスリンによって一定に保たれますが、高血糖が続くと、インスリンの分泌機能が低下し、糖尿病に発展することもあります。
高血糖になる原因は、遺伝や運動不足などがありますが、肥満や過食などで糖分を摂取し過ぎることも大きな原因の一つです。
血糖値を改善するためには、食事改善や運動で血液中のブドウ糖の量をコントロールすることが重要です。
また、血糖値改善のために効果のある成分には、以下のようなものがあります。
- サラシア由来サラシノール
- カテキン
- 亜鉛
- マグネシウム
- サイリウム種皮由来の食物繊維
それぞれ、どういう作用で血糖値の予防改善に役立つのかを詳しく解説していきます。
参考:
健達ねっと「血糖値が高いとどうなる?原因や症状を徹底解説」
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/34203
サラシア由来サラシノール
サラシア由来サラシノールという成分をはじめて聞いた方もいるかと思います。
サラシノールとはサラシアという植物から抽出される成分で、インドやスリランカでは昔からサラシアの茎や根を浸した水を飲むと太りにくくなるといわれています。
サラシア由来サラシノールには、糖質を体へ吸収しやすくするα-グルコシダーゼという成分の働きを抑制する作用があります。
これによって、糖質が体に吸収されにくくなり、血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌コントロールにも役立ちます。
実際の研究でも、サラシアによって、血糖値とインスリン濃度に効果をもたらすことがわかっています(画像参照)。
サラシノールは、腸内環境の正常や免疫機能の調整などにも効果があり、健康食品などでもよく使われる成分です。

出典:機能性食品と薬理栄養,3,25-30(2005)
参考:
Held「サラシノール」
https://www.held.jp/materials/salacinol/#:~:text=%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%80%8D,%E3%81%8B%E3%82%89%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
塩水港精糖株式会社「血糖値上昇抑制効果」
https://www.ensuiko.co.jp/labo/salacia/salacia01.html
カテキン
カテキンには、血糖値やコレステロール、中性脂肪などの値を改善する効果が報告されています。
カテキンを摂取すると糖質の吸収が穏やかになり、血糖値が上がるのを抑えてくれます。
実際の実験でも、事前に茶カテキンを投与することでデンプンなどの接種による血糖値の上昇が抑えられた結果も出ています。
つまり、食事前にカテキンを摂取することで血糖値が上がりにくくなるので、食後の血糖値上昇が気になる方は、食事の前にカテキンの含まれる緑茶や紅茶などを摂るのがおすすめです!

出典:
日本食品保健科学会誌 Vol.26, No.1, 2000, 52ページ「茶カテキン類の機能性とそれらの応用例」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps1997/26/1/26_1_47/_pdf
参考:
日本食品保健科学会誌 Vol.26, No.1, 2000, 51ページ「茶カテキン類の機能性とそれらの応用例」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps1997/26/1/26_1_47/_pdf
亜鉛
亜鉛は血糖値を下げるインスリンの分泌を助ける働きがあります。
他にも、味覚や免疫力、肌や髪を健康に保つ働きもあります。
亜鉛摂取が少ない人はインスリンの分泌が減り、血糖値の上昇につながると言われています。
実際に、アメリカの実験で、亜鉛の摂取が少ない人は(血糖値が上がることから)糖尿病リスクが約17%上がることが示されています。
亜鉛は魚介類や肉類、野菜類、海藻類、豆類などに含まれており、特に、牡蠣や鰻、チーズなどに多く含まれています。
参考:
H2株式会社 シンクヘルスブログ「糖尿病に亜鉛は良いの?〜効果・食べ物・サプリについて紹介します〜」
https://health2sync.com/ja/blog/diabetes-zinc
マグネシウム
マグネシウムと血糖値には関わりがあります。
マグネシウムにはインスリンがブドウ糖を体に吸収させる働き促す効果があります。
簡単にいうと、マグネシウムはインスリンの働きを助け、血糖値を健康に保ちます。
マグネシウムが不足すると、インスリンが正常にブドウ糖を体に吸収させることができず、血糖値が上がります。
そして、ブドウ糖は脂肪として蓄積、インスリンの分泌低下などにより、糖尿病になってしまう可能性があります。
サイリウム種皮由来の食物繊維
オオバコ属の中の一つである「サイリウム」は食物繊維が豊富です。
日本で販売されているサイリウムの多くは、オオバコ属の「プランタゴ・オバタ(英名:サイリウム)」の種子の殻(ハスク)を粉末状にしたもので「サイリウムハスク」と呼ばれています。
サイリウムの種皮から採れる食物繊維には食事中の脂肪、糖、塩分の便への排出を増やす効果があります。
また、食後の中性脂肪や血糖値の上昇を抑え、高めの血圧を下げる機能があります。
参考:
「2型糖尿病におけるマグネシウムの役割」藏前尚子
https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol46/17-vol46.pdf