■気になるコレステロールに!お茶習慣で生活習慣病を予防しよう 8
コレステロールは、細胞膜やホルモンの成分であり、身体にとってなくてはならないもの。ですが、血液中のコレステロール値が基準より高い状態が続くと、最悪の場合、動脈硬化につながり、その結果、心筋梗塞・脳梗塞を引き起こす可能性もあります。したがって、動脈硬化などの生活習慣病の予防には、血中コレステロール値を正常に保つことが大切なんですね。
健康茶の中には、血液中のコレステロールを下げたり、コレステロールの吸収を抑制する効果のある成分が含まれているものがあります。つい普段から炭水化物やお酒、甘い物などを好んで食べる人は、食生活を変えていくとともに、毎日の飲むお茶を健康茶に変えることで、コレステロールを下げるための習慣を身に着けるのがおすすめですよ。
■コレステロールを下げる効果あり!おすすめのお茶 ベスト3
1位 黒玄米茶
◎特徴:
黒炒り玄米、黒焼き玄米、玄米珈琲とも呼ばれる黒玄米茶。日本古来から伝わる民間薬として有名で、玄米を焙煎することで、有効成分の濃度がアップ。より香ばしく、健康に良いお茶とされています。
◎コレステロールを下げる有効成分:
食物繊維
◎有効成分の作用:
血液中のコレステロールを原料として、肝臓で作られる胆汁酸。胆汁酸は小腸からリサイクルされることで効率よく働くのですが、この胆汁酸が、黒玄米茶で摂取した食物繊維に吸着すると、そのリサイクルが阻害され、結果、肝臓は新たにコレステロールを原料に胆汁酸を作らなければならなくなるので、血中コレステロール値が下がることになります。
◎研究データ:
焙煎玄米に含まれる食物繊維 の機能性に関する研究 一次およびニ胆汁酸吸着能の評価
(出典:国立大学 農学部 公開済みの報告資料より抜粋)
2位 ハトムギ茶
◎特徴:
ハトムギは「穀物の王様」と呼ばれ、タンパク質を多く含み、ビタミンB1、B2が白米の2~3倍もあるのが特徴。
◎コレステロールを下げる有効成分:
メチオニン
◎有効成分の作用:
ハトムギに豊富に含まれる、アミノ酸の一種であるメチオニンは、脂肪の代謝に関与する。血中コレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除く作用があります。このメチオニンは体内で作ることのできない必須アミノ酸で、体外から摂りこむ必要のあるアミノ酸であり、ハトムギ茶はそれを摂取するのにぴったりのお茶です。
◎研究データ:
ラットにハトムギを投与する実験で、ハトムギ渋皮、子実およびを投与したラットは、いずれも動脈硬化指数の低下 を認め、特にハトムギ子実にはコレステロール吸収阻害効果を認められました。
(出典:青木みか、辻原命子「ハトムギが血圧,コレステロール吸収および血清脂質成分に及ぼす影響」家政学雑誌Vol.35 No.2 1984)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/35/2/35_2_89/_pdf/-char/ja
3位 杜仲茶
◎特徴:
杜仲は中国では4千年以上も前から生薬として利用されてきた落葉高木です。日本では現在、主に薬用として栽培されています。お茶は杜仲の葉から作られ、少し苦みのある味が特徴です。
◎コレステロールを下げる有効成分:
アディポネクチン
◎有効成分の作用:
アディポネクチンは、脂質の代謝を促して、中性脂肪を下げ、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあります。特にHDLコレステロールの代謝においては、インスリン抵抗性や肥満よりも重要な働きをしている可能性も示唆されています。
◎研究データ:
ラットに2週間、杜仲葉水抽出エキスを与えたところ、水を与えた群と比較して、肝臓中のコレステロールが有意に著しく低下しました。そのため、杜仲葉水抽出エキスには、肝臓に蓄積されたコレステロールを減少させる効果を有することが分かりました。
(出典:仲佐輝子、山口真由美「高脂肪高コレステロール食投与ラットの血漿および肝臓中の資質に及ぼす杜仲葉抽出液の影響」1995)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/69/11/69_11_1491/_pdf/-char/ja
■コレステロールを下げるその他のお茶
モリンガ茶
ミラクルツリーと呼ばれるモリンガには、ポリフェノール、ケルセチン、クロロゲン酸などの抗酸化物質が豊富に含まれていて、体を酸化ストレスから守るだけでなく、血液中のグルコース(糖)を減らし、血管内のコレステロール値を下げる効果があります。コレステロールを下げる栄養豊富なお茶です。
松葉茶
松葉茶は、黒松や赤松の若葉を乾燥させたお茶です。
松独自の精油成分がコレステロール値を下げるだけでなく、葉緑素クロロフィルが血液を浄化し、
ケルセチンという成分が血管壁を強くするため、動脈硬化の予防にはうってつけのお茶です。
クコ茶
クコ(枸杞)は中国や日本に自生するナス科の落葉低木です。中国では漢方として扱われ、クコ茶は不老長寿の「延命茶」として親しまれてきました。クコのお茶に含まれるリノール酸にはコレステロールを体外に排出する作用があるため、脂っこい食事が多い方にもオススメです。
昆布茶
昆布(こんぶ)は純寒海性の海藻です。古くから健康茶として飲まれており、独特のぬめり成分「アルギン酸」が余分な塩分やコレステロールを排出してくれる作用を持っています。さらに動脈硬化予防に効果のある「ヨード」の含有量が食品中トップレベルであることから、生活習慣病予防に最適なお茶です。
ベニバナ茶
ベニバナはキク科ベニバナ属の一年草です。北アフリカ・エジプトが原産で、日本では山形のものが有名。中国では美容健康に効く漢方として愛されています。ベニバナが持つリノール酸にはコレステロールを体外に排出する作用があり、コレステロール値の高さに悩む女性におすすめのお茶です。
シイタケ茶
シイタケ特有の成分「エリタデニン」には血中コレステロールを下げ、動脈硬化・狭心症などの病気を防ぐ効果があります。また、コレステロール値を下げるだけでなく、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用もあり、コレステロール値に悩む人の強い味方です。
おから茶
おからは、豆腐を製造する過程で、大豆から豆乳を絞ったあとに残ったもの。非常に栄養価が高い食品として知られています。このおからに含まれるレシチンは、血管に付着したコレステロールを溶かし、血液の流れをよくしてくれるので、様々な生活習慣病を予防することにつながります。
アーティチョーク
アーティチョークは、古代ギリシャ・ローマ時代から肝臓や消化器の働きを助けるハーブとして使われてきました。アーティチョークの葉に含まれるシナリンという成分が、肝臓の働きを高め、血中コレステロールを低下させることが確認されているお茶です。
ターメリック
日本語でウコンとも呼ばれるターメリックは、インドや東南アジアの原産で、古くからこれらの地域で、肝機能の向上など薬用として幅広く使用されてきました。クルクミンという成分を豊富に含んでいます。これには血中のコレステロール値を下げる効果があることが知られている、おすすめのお茶です。