■妊婦さんでも安心安全なお茶選び
妊娠中の妊婦さんにとって、カフェイン入りの飲み物は、胎児に良くない影響を及ぼすため、基本的に飲まない方がよいもの。そのため、カフェインが多く含まれている緑茶、紅茶、コーヒーは避けた方が無難です。他にも、様々な成分が母体や胎児にどのように影響があるのか気になる人もいるでしょう。つわりや胸焼けで水が飲めないという妊婦さんも珍しくありません。そんなときにおすすめなのが、健康茶。カフェインレスで、母体にも安全、妊娠時に必要な栄養素が十分にとれるお茶がいくつもあるので、おすすめです。食事の時に必ずお茶を飲んでいるお母さんは、ぜひこの機会自分に合ったお茶を探してみるのはいかがでしょうか。
■妊婦さんにおすすめのお茶 ベスト3
1位 桑の葉茶
桑は中国や日本に生育するクワ科の落葉高木です。絹を作り出す、蚕の飼料として有名ですね。最近では、栄養価の高さも注目され、お茶としての需要も伸びています。味は香ばしく、ほのかな甘みがあります。
◎妊婦さんへの有効成分:
葉酸、カルシウム、鉄分、亜鉛、たんぱく質
◎有効成分の作用:
桑の葉茶はノンカフェインであると同時に、妊婦さんに必要な様々な栄養素を含んでいます。
・葉酸は妊娠初期に摂取することで、赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発生リスクを下げることができます。
・カルシウムは、骨や歯を作るのに重要な成分で、胎児のからだを作るために必要不可欠。
・鉄分は血液中のヘモグロビンを作り、赤ちゃんに酸素や栄養素を届けるという重要な役割を果たしています。
・亜鉛はたんぱく質の合成や、胎児の中枢神経系の発達に大切な栄養素です。赤ちゃんの中枢神経系の発達に大切な栄養素であるため、特に、妊婦初期から中期にかけて、欠かせない栄養素のひとつです。
◎研究データ:
ある桑の品種の研究では、葉酸がしその約3.5倍、カルシウムが脱脂粉乳の約2倍、鉄が小松菜の4倍、亜鉛がしその1.5倍、含まれているという結果が出ています。
(出典:沖縄県シマグワ販売店のチラシより引用。日本食品標準成分表2015年(七訂)参照。桑茶粉末100g当たりの含有量)
2位 モリンガ茶
◎特徴:
「ミラクルツリー(奇跡の木)」と呼ばれるモリンガは、インド、東南アジア、アフリカ等で伝統医学として利用されてきた生薬。その葉にはビタミン、ミネラル、タンパク質が豊富に含まれ、WHO(世界保健機関)によって、数十年前からソマリアやインドなど途上国の栄養問題改善のためにも使われています。
◎妊婦さんへの有効成分:
タンパク質、カルシウム、鉄分、葉酸
◎有効成分の作用:
モリンガ茶はノンカフェインであると同時に、妊婦さんに必要な様々な栄養素を含んでいます。
・たんぱく質は、体をつくるための主成分であり、胎児の成長にとって非常に重要な栄養素です。
・カルシウムは、骨や歯を作るのに重要な成分で、胎児のからだを作るために必要不可欠。
・鉄分は血液中のヘモグロビンを作り、赤ちゃんに酸素や栄養素を届けるという重要な役割を果たしています。
・葉酸は妊娠初期に摂取することで、赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発生リスクを下げることができます。
◎研究データ:
モリンガの栄養成分を計測した研究によると、モリンガにはほうれん草の28倍の鉄分、牛乳の16倍のカルシウム、ヨーグルトの9倍のタンパク質などが含まれていることが分かっています。
(出典:日東物産商事)
3位 ルイボスティー
◎特徴
日本でも有名なルイボスティー。ルイボスは南アフリカのセダルバーグ山脈地方の高地のみに自生する針葉樹。昼夜の気温差30℃以上ある過酷な環境に耐えて育ちます。その葉から作られるお茶は、現地で「不老長寿のお茶」と言われています。
◎妊婦さんへの有効成分:
カルシウム、亜鉛、鉄分、フラボノイド
◎有効成分の作用:
ルイボスティーはノンカフェインであると同時に、妊婦さんに必要な様々な栄養素を含んでいます。
・カルシウムは、骨や歯を作るのに重要な成分で、胎児のからだを作るために必要不可欠。
・鉄分は血液中のヘモグロビンを作り、赤ちゃんに酸素や栄養素を届けるという重要な役割を果たしています。
・亜鉛はたんぱく質の合成や、胎児の中枢神経系の発達に大切な栄養素です。赤ちゃんの中枢神経系の発達に大切な栄養素であるため、特に、妊婦初期から中期にかけて、欠かせない栄養素のひとつです。
・ルイボスティーが豊富に含むフラボノイド類には、胃腸の調子を整える効果があり、便秘が解消されるという報告があります。妊娠時は便秘になりやすいため、そんな症状改善にも効果的です。
◎研究データ:
ルイボスティーの浸出液に含まれる成分を、他の各種お茶と比較した結果が下記である。カフェインはゼロ、カルシウム、亜鉛、鉄分については比較的高い数値を示しました。
(出典:「ルイボスティーのすべて」日本SOD協会 2008)
http://www.sod-jpn.org/pdf/rooibos.pdf
■妊婦さんにおすすめのその他のお茶
よもぎ茶
よもぎ茶は日本古来より古くから親しまれていた健康茶で、ノンカフェイン+妊婦さんに不足しがちな栄養素(ミネラル、鉄分など)をたっぷり含むため、妊婦さんの強い味方となるお茶です。よもぎ茶を推奨している助産院もあるほどです。
タンポポ茶
タンポポの花、茎、根から作られるお茶で、ノンカフェインのタンポポ茶。妊娠中に不足しがちになるビタミン、鉄分、ミネラルを多く含むのでおすすめです。また、焙煎したものは「コーヒー風味」になるため、妊娠中でカフェイン入りコーヒーが飲めない女性に愛飲されています。
トウモロコシ茶
トウモロコシ茶は妊娠中に不足しがちな「鉄分」を補うには最適のお茶です。トウモロコシは穀物の中で鉄分をもっとも多く含みます。もちろんノンカフェインなので安心です。また、水に溶けやすい食物繊維を豊富に含むため、便秘になりがちな妊婦さんの助けとなってくれます。
ラカンカ茶
ラカンカは中国華南地方の特産物で、清朝時代から栽培されてきたウリ科の多年草木です。この実から作られるお茶は、甘く飲みやすいだけでなく、たんぱく質に加えて、ミネラル分が多く、カルシウム・鉄分も豊富に含んでいます。ノンカフェインでもあり、妊婦さんにぴったりのお茶です。
ローズヒップティー
ローズヒップとはバラの花が咲き終わった後の実(偽果)のこと。この実から作られるお茶は、ビタミンだけでなく、鉄分・カルシウムが豊富。赤ちゃんの体づくりに欠かせない栄養素のため、妊婦さんにはおすすめのお茶です。