予防対策② 食事の改善【3章-3】
食事中に改善できるポイントは4つあります。
・よく噛むこと
・酸の強い飲み物を控えること
・水しか飲まない時間をつくること
・コラーゲンの生成を促す食材を摂ること
ここでは、上記4つのそれぞれについて詳しく解説していきます。
食事中によく噛むこと
食事中によく噛むことには、以下の4つの効果があります。
・唾液の分泌につながる
・胃腸の消化を助ける
・脳の活性化(老化、認知症の予防)
・メタボ、肥満防止
虫歯や歯周病、口臭の予防に、唾液はとても重要な役割を果たします。
唾液の作用 |
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・虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える作用 ・口腔内の酸を中和する作用 ・再石灰化による歯の修復作用 |
唾液は口腔内の細菌を抑え、歯周病や虫歯になりにくい環境をつくってくれます。
歯磨きだけでなく、意識して噛むことも簡単な歯周病・虫歯予防なので、実践してみましょう。
酸の強い飲み物を控えること
酸の強い食品には、歯を酸蝕(さんしょく)する作用があります。酸蝕とは、酸によって歯のエナメル質が溶けて、歯がしみることや虫歯になることです。
酸の強い食品 |
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ビネガー(酢)ドリンク、コーラ、クエン酸入り清涼飲料、スポーツドリンク、果汁ジュース、柑橘果物、果実酒、など ※食事と一緒の摂取は問題なし! |
酸蝕を抑えるためにも、ジュースなどの酸の強い飲み物を控え、お酢系の食べ物を摂取する際は、食事中に摂るようにしましょう。
水しか飲まない時間をつくること
普段口腔内では、脱灰と再石灰化を繰り返して中性を保っています。
脱灰で口腔内が酸性に傾く時間が増えると、虫歯や口臭の原因につながります。
そこで、再石灰化の時間をできるだけ長く取り、口の中の環境を中性に保つことが重要です。
再石灰化の時間を取るためには、食事を取らず、水しか飲まない時間をつくることが効果的です。
再石灰化するための時間では水だけでなく、白湯やカフェインレスのハーブティーも飲んで問題ありません。
しかし、ジュースやお菓子などの間食は脱灰を進行させてしまうので、間食が多い方は注意しましょう。
画像出典:倉治ななえ「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」電子書籍ページNo.880,日東書院, 2015年発行
コラーゲンと繊維質を摂ること
コラーゲンの生成を促す食事を積極的に摂ることで、歯根膜を丈夫にして歯周病を予防できます。
コラーゲンを生成するためには、たんぱく質(肉、魚、乳製品、大豆食品)とビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。
コラーゲンの生成に加えて、繊維質によって唾液の質を高めることも虫歯や口臭の予防対策です。
唾液の分泌は量とともに質も重要です。
質の良い唾液は、酸性に傾いた口腔内環境を改善させ、細菌の除菌にも作用します。
質のよい唾液生成の素となる繊維質は、きのこ類、小魚、キウイ、野菜、海藻などに多く含まれています。
バランスのよい食事に加えて、コラーゲンや繊維質をしっかり補給し、歯周病や虫歯を予防するようにしましょう。
【参考文献】
倉治ななえ「図解むし歯 歯周病の最新知識と予防法」日東書院,2015年発行