原料が違うとコラーゲンの性質も違う
コラーゲンを気軽に摂取するなら、コラーゲンサプリはおすすめです。ただ、巷には数多くのサプリがありますが、同じようにコラーゲンと銘打っていても、実際はそれぞれに違いがあります。なかにはあまり効果の期待できない粗悪品が紛れていることもありますので、よく注意して選ぶようにしましょう。
より良いサプリを選ぶ際、特に違いとして大きいのが、コラーゲンの原料です。コラーゲンの原料は大きく分けて動物由来と魚由来があります。動物由来の場合は、主に豚、牛、鶏などが原料となりますが、市場で売られている動物由来のコラーゲンは、ほとんどが豚から作られています。一方、魚由来のものは魚の皮、またはウロコを原料としています。
原料の比較表!コラーゲンの特徴の違い
動物由来 (主に豚) |
魚由来 | ||
---|---|---|---|
ウロコ | 魚皮 | ||
溶けやすさ | △ | 〇 | ◎ |
吸収性 | △ | 〇 | ◎ |
安全リスク | △ | △ | 〇 |
活性度 | 〇 | △ | ◎ |
価格帯 | 並 | 廉価 | やや高価 |
総合評価 | △ | ○ | ◎ |
特徴の比較を上記のとおり表にまとめました。
これら原料によって、それぞれ性質などに特徴があります。例えば、動物由来と魚由来ではコラーゲンの構造が異なるため、それが体内での分解のしやすさが変わります。実際、魚が原料のコラーゲンのほうが動物性に比べて7倍も分解されやすいという研究結果が出ているんです。分解されやすいということは、そのまま吸収されやすいということにつながっています。
同じ分量を摂取するなら、吸収がいいものの方が効果を期待しやすいですよね。
魚由来のコラーゲンの方が分解しやすいのは、1つは変性温度の差です。フィッシュコラーゲンは、動物性のコラーゲンよりも変性温度が10℃くらい低く、溶けやすいのです。これは魚に比べて、豚などの家畜の方が体温が高いことに起因しています。
例えば、酵素のペプシンで高分子の動物性コラーゲンを分解するのに1時間以上かかりますが、フィッシュコラーゲンの場合、10分もあれば分解して低分子化するという結果も出ています。
また、動物性のコラーゲンとフィッシュコラーゲンでは、元となっているアミノ酸の構成が違っています。魚の方が、コラーゲンの構成を保持するのに関係しているヒドロキシプロリンの含量が少なく、そのため体内で分解されやすくなっています。
これらのことから、同じ分量のコラーゲンでも、魚が原料の方が溶けやすく、からだに吸収されやすいと考えられています。原料次第で、からだへの影響も変わってくるのですね。
時代によるコラーゲン原料の変化
また、豚インフルエンザ、口蹄疫、BSEなどの理由により、コラーゲンの原料は豚・牛由来から魚由来のものへと変わってきています。
コラーゲンの利用には、大きく化粧品分野と健康食品分野がありますが、実はBSE(狂牛病)以来、化粧品業界の大手5社では動物由来のコラーゲンは使わないと決めたそうです。そこで魚由来のコラーゲンが注目されるようになり、日本の化粧品業界では牛・豚のコラーゲンから、フィッシュコラーゲンに置き換わるようになりました。それに伴い、健康食品分野でもフィッシュコラーゲンの需要が急速に伸びているというのが現状です。このように、社会知識や研究の進歩、いわゆる時代の流れによって、コラーゲンの原料もだんだんと変わってきているのです。
各原料の詳しい解説は、下記ページをご覧ください。